TAKEBITO Original Collection vol.23
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" 現在、国産材の需要低迷により、間伐や主伐を行っても採算が合わず、日本の林業はすっかり衰退してしまいました。森林整備をしても木が売れなければ利益は出ず、整備に力を入れられない、そんな状況が続いています。山村地域では、林業の衰退とともに、地域の活力も低下し、若者の集落離れによる後継者不足、林業就業者の高齢化、限界集落と呼ばれる問題まで起こっています。 大きく分けて次の点が挙げられます。①管理をするための資金不足②竹・木材の需要低迷③土地管理者の高齢化・後継者不足 まず、第一に管理に必要な費用は誰がどうやって補うのか、という経済的な問題に直面します。 次に、伐採できたとしても、竹や間伐材には行き場がありません。竹・木材に変わる代替素材の普及がめまぐるしい昨今、伐採した竹や間伐材には供給先がなく、大半は廃棄処理や放置されることになってしまいます。処理をすればするほど赤字となってしまうため、誰も整備したがらないのです。需要低迷などで若年後継者が減り、さらに土地管理者の高齢化で管理をする人手が足りないのも現状です。 林業の衰退で、日本の森林は充分な手入れがなされず、荒廃が目立つようになりました。荒廃した森林は、公益的な機能を発揮できず、台風や大雨によって土砂災害を起こしやすい「線香林」と呼ばれるか弱い林となり、温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収する働きも低下します。手入れがされなくなり衰弱した土地に竹林が浸食する、放置竹林も問題になってます。

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